2020年トルコリラ円の見通し(今後)を過去10年チャートから予想

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著者:為替カバ 更新日:2020年2月10日

トルコリラ円の見通し(今後)を過去10年チャートから予想

こんにちは、為替カバです。
トルコリラは南アフリカランドと並んで、高い金利が魅力の通貨ですが、買ったとたんに暴落するのは避けたいところです。

そこで、トルコリラの今後の見通しを、以下の点から調べました。

  1. トルコリラ円の過去10年のチャートで値動きを考察
  2. トルコリラ円の史上最安値の推移と、その理由
  3. トルコの政策金利は為替に影響する?
  4. トルコリラ円が上昇するのはどんな時?
  5. 2020年トルコリラの今後の見通し
  6. トルコリラの見通しに関係なく高いスワップ益を得るには?

1.トルコリラ円の過去10年のチャートで値動きを考察

トルコリラに投資する場合、まず知りたいのが過去の値動きです。過去10年間のトルコリラの為替チャートを確認することで、今後の見通しをある程度予測できます。

トルコリラ円の過去10年のチャート

上の図は、トルコリラ円の過去10年の為替チャートです。
特に大きな値動きが7回発生しています。

トルコリラ円の主な為替変動履歴
No. 主な要因 変動率 概要
世界金融危機 41%
下落
2008年10月以降、100年に1度と言われる世界金融危機の影響で
トルコリラを含む多くの通貨が暴落
アメリカ国債
格下げ
23%
下落
2011年8月、格付け会社のS&Pがアメリカ国債をAA+に格下げ
アメリカ国債は約70年間最上級の格付けを維持してきたため、
世界中に衝撃が走り、世界経済は一気に冷え込むことに。
2011年10月には、当時の最安値1トルコリラ=40.25円を記録。
先進国の
金融緩和
33%
上昇
2013年前後、日本や欧米による金融緩和の実施の影響で、
リスクの高い資産に積極的に資金を振り分けるリスクオン
の状態になり、資金が新興国通貨のトルコリラにも流入。
中国経済の
景気減速
15%
下落
2015年8月、中国経済の景気減速の影響で、新興国通貨が暴落。
2015年9月には、当時の最安値1トルコリラ=38.99円を記録。
トルコ国内の
テロ頻発
25%
下落
2015年10月、アンカラで死者100名以上のテロが発生。
それ以降、断続的にトルコ国内でテロが発生。
2017年4月には、最安値1トルコリラ=29.08円を記録
アメリカとの
関係悪化
14%
下落
アメリカがトルコと敵対するクルド人武装勢力を支援したため
「トルコとアメリカが相互にビザ(査証)発給業務を停止」
という事態に陥り、トルコとアメリカの関係が悪化。
2017年11月には、最安値1トルコリラ=27.93円を記録
トルコリラ
ショック
14%
下落
アメリカ金利上昇懸念・トルコリラ格下げ・トランプリスク
・インフレ率の高止まり・トルコの政治リスクが重なり、
2018年8月、最安値1トルコリラ=15.34円を更新

これら、過去10年にトルコリラの為替相場が大きく動いた原因は、トルコ国内の経済やカントリーリスクだけでなく、世界経済の好不況も関係しています。

2017年以降、世界経済が悪化する原因は下の2つです。

原油安
原油安は、原油を輸入に頼っているトルコ経済にとってプラスです。
一方、中東産油国など資源輸出に頼る国にはマイナスです。
さらに石油開発への投資が滞り、原油の供給が将来的に不安定になる恐れがあります。
そのため、世界経済にもマイナスです。

GDP上位国の経済悪化
2015年8月に判明したGDP第2位の中国経済の景気減速は、トルコリラやランド円など、多くの高金利通貨の下落を引き起こしました。


2.トルコリラ円の史上最安値の推移と、その理由

2019年7月15日時点のトルコリラ円史上最安値は、2018年8月13日の15.34円です。
トルコリラの最安値は、時期により下落理由が違いますので、時期別に紹介いたします。

2015年末までの最安値更新は世界経済の悪化が原因
2015年末までは、トルコリラが最安値を更新する原因は、世界金融危機やアメリカ国債の格下げ、中国経済の景気減速など世界経済の悪化によるものが主でした。

2016年~2017年4月までの最安値更新はトルコ国内のテロが主な原因
2016年以降の最安値の更新には、テロやトルコ政治の悪化が反映され始めました。
そして2017年4月14日、1トルコリラ=29.08円を記録し、最安値を更新しました。

一方で、トルコ政府がテロ対策を強化し、2017年5月以降は、死者が発生するようなテロはトルコ国内でほとんど発生していません。
さらに2017年7月、ISのイラク最後の主要拠点モスルが奪還され、ISが弱体化しました。

2017年11月の最安値更新はアメリカとの関係悪化が原因
トルコとアメリカは、第2次世界大戦以降から長く同盟関係にあり、ISに対する軍事作戦でも、両国は協力関係にありました。

ところがアメリカは、ISへの軍事作戦でISに敵対するクルド人武装勢力を支援します。
一方トルコは、トルコからの分離独立を目指すクルド人武装勢力とは対立しています。
そのため、トルコとアメリカの関係は悪化していきます。

そして2017年11月22日、トルコとアメリカの関係が悪化する懸念が高まり、1トルコリラ=27.93円の最安値を記録しました。

2018年3月以降の最安値更新は複数の要因
2018年3月23日、1トルコリラ=25.96円を記録し、約3か月ぶりに最安値を更新ました。
さらに5月23日、1トルコリラ=22.36円を記録しました。
その後8月13日、1トルコリラ=15.34円を記録しました。
主な原因は、下の5点です。

  1. アメリカ金利上昇懸念
  2. トルコリラ格下げ
  3. トランプリスク(アメリカとの関係悪化)
  4. インフレ率の高止まり
  5. トルコの政治リスク

この5つが同時期に起こったため、トルコリラの最安値が2018年3月以降更新され続けました。
2020年2月10日時点では、1~3について、

  1. 2019年にアメリカ政策金利の利上げを打ち切り、現在利下げ中
  2. トルコリラがさらに格下げされる見通しは、当面ない
  3. トルコ政府は、アメリカとの関係修復に向けて行動

していることから、最安値の更新はしばらくなさそうです。

トルコリラの史上最安値について、詳しく調べたい方はこちらです
トルコリラ円の史上最安値とその原因 対策法は?


3.トルコの政策金利は為替に影響する?

トルコリラは高金利通貨で有名です。
そのため、私たち個人投資家からすると、政策金利が低くなれば魅力が薄れトルコリラが安くなり、政策金利が高くなれば逆にトルコリラが高くなるイメージがあります。

トルコの政策金利が上がった場合と下がった場合、為替レートはどのように変動するのか調べてみました。これについては、別記事で詳しく検証しています。

トルコの政策金利の推移と見通し 為替レートへの影響


4.トルコリラ円が上昇するのはどんな時?

2018年のトルコリラ円為替相場は、今後上昇することがないのでは?と悲観してしまうくらいの下落スピードでしたが、どのような条件がそろえばトルコリラは上がるのでしょうか?
調べてみました。

2008年1月以降、トルコリラ円が上昇した為替相場は以下の通りです。

過去10年で大きな上昇があったのはこの3回です。

2009年1月~の上昇要因
2008年にリーマンショックが発生し、2008年8月→2009年1月でトルコリラ円は41%も下落しました。2009年1月~の上昇は、暴落の反発といえます。

2012年1月~の上昇要因
日本や欧米による金融緩和(=政策金利引き下げ)の影響で、リスクの高い資産に積極的に資金を振り分けるリスクオンの状態が続いたためです。

2018年9月~の上昇要因
2018年1~8月にかけてトルコリラ円が暴落しました。特に2018年8月は、2週間で最大で31%も下落しました。2018年9月~の上昇は、暴落の反発といえます。

結論
アメリカは金融引き締め(=政策金利引き上げ)のため、金融緩和(=政策金利引き下げ)による上昇はみこめません。
一方、トルコリラ円の相場は2018年1月の29.57円→2018年8月の15.34円まで48%の大暴落しましたが、そこから2018年12月に22円台まで上昇しました。(暴落の反発が起こりました)

過去の例から暴落の反発期間は半年程度のため、暴落の反発によるこれ以上の上昇はなさそうです。当面は現状維持か、世界情勢の急変による下落と思われます。


5.2020年トルコリラの今後の見通しは?

直近3か月のトルコリラ円はレンジ相場

下の図は直近3か月のトルコリラ円の為替チャートです。
1トルコリラ=18円台で推移していますね。
直近3ヶ月ではそれほど大きく動いていません。

直近3か月のトルコリラ円の為替チャート

直近6か月のトルコリラ円はレンジ相場

下の図は直近6か月のトルコリラ円の為替チャートです。

2019年8月~12月に、18円台と19円台を行ったり来たりしていましたが、2020年以降、19円台にはなっていません。
やはり、インフレ率の高さが徐々に効いてきていると思われます。。

直近6か月のトルコリラ円の為替チャート

では2018年以降に起こった、トルコリラの為替相場に関連する主なニュースを紹介します。

世界の景気関連ニュース

2018年2月2~5日 米国のNYダウ平均が暴落し、各国の株に連鎖する世界同時株安が発生
高金利のトルコリラを売って、信頼性の高い円を買う動きになりました。

2018年3月1日 トランプ大統領の発言で世界同時株安が発生
トランプ大統領が「鉄鋼に25%・アルミニウムに10%の関税をかける」と発表したことで、高金利のトルコリラを売って、信頼性の高い円を買う動きになりました。

2019年5月5日 トランプ大統領が対中関税25%に引き上げを発表
2000億ドル相当の中国製品に対する関税を10日から現在の10%から25%に引き上げると表明し、中国への圧力を大幅に強めました。

トルコリラ格付け関連ニュース

2018年3月8日 格付け会社ムーディーズ トルコリラの格付けをBa1→Ba2に格下げ
これにより、トルコリラの円高が進みました。

2018年5月2日 格付け会社S&P トルコリラの格付けをBB→BB-に格下げ
これにより、トルコリラの円高が進みました。

2018年5月22日 格付け会社がトルコ政治に懸念
トルコのエルドアン大統領に対して、格付け会社のフィッチ・レーティングスは、
「トルコ中央銀行の独立性が損なわれ、トルコ国債の信用低下につながる可能性がある」
と懸念を表明し、その後トルコリラ円は最安値を更新しました。

トルコ経済関連ニュース

2018年3月15日 アメリカ・トルコ会談が延期
アメリカのティラーソン国務長官の解任により、3月19日に予定されていたアメリカ・トルコ会談が延期になりました。アメリカとトルコの関係も悪化するのではとの見通しで、トルコリラ円の円高が進みました。

2018年5月~9月 トルコリラ政策金利を利上げ
トルコの政策金利を13.5%→24.0%まで断続的に利上げし、若干円安に戻りました。

2018年8月10日 トルコショック
トルコ政府が米国人牧師を拘束した問題で、アメリカとの関係が悪化し、トルコリラ円の下落率は20%近くになりました。

2019年3月22日 JPモルガン・チェースのアナリストがトルコリラ売りを推奨
この日だけで20.11円から19.07円まで1円以上下落しました。
ただし、この情報はトルコ当局によるものです。

2019年5月6日 イスタンブール市長選 野党勝利後、再選挙することに
最高選挙管理委員会、3月のイスタンブール市長選結果を無効とし、6月23日にやり直し選挙を実施すると発表しました。これにより、トルコリラ円の円高が進みました。

2019年6月23日 イスタンブール市長選 再選挙でも野党勝利
イスタンブール市長選のやり直し選挙でも野党が勝利し、エルドアン大統領の与党が敗北しました。ただし、エルドアン大統領の任期は2023年まで残っています。。

2019年7月6日 エルドアン大統領がトルコ中央銀行総裁を更迭
エルドアン大統領が「必要な措置を講じなかった」という理由で、トルコのチェティンカヤ中央銀行総裁を更迭しました。そのため、トルコ中央銀行の独立性が不透明になり、エルドアン大統領が後任の総裁に利下げを強いる可能性が高まりました。

さらにトルコの主な経済指標である、インフレ率と、経済成長率の推移も確認しました。

トルコのインフレ率(消費者物価指数)

現在のトルコのインフレ率は12.15%です。過去のインフレ率と比較しても、高い数値です。(2012年1月~2018年1月の約7年間の平均インフレ率は8.65%)

トルコ インフレ率の推移

2018年 トルコのインフレ率推移(前年比)
1月 2月 3月 4月 5月 6月
10.35% 10.26% 10.23% 10.85% 12.15% 15.39%
7月 8月 9月 10月 11月 12月
15.85% 17.90% 24.52% 25.42% 21.62% 20.30%

2019年 トルコのインフレ率推移(前年比)
1月 2月 3月 4月 5月 6月
20.35% 19.67% 19.71%  19.50% 18.71% 15.72%
7月 8月 9月 10月 11月 12月
 16.65% 15.01% 9.26% 8.55% 10.56% 11.84%

2020年 トルコのインフレ率推移(前年比)
1月 2月 3月 4月 5月 6月
12.15%
7月 8月 9月 10月 11月 12月

市場では、インフレ率はしばらく高止まりし、下降に向かうのは2019年の後半とみていますが、2019年6月のインフレ率は15.72%と、早くも2019年末のインフレ率目標数値を下回りました。

2019年10月にインフレ率が9%を切ったものの、2019年11月以降インフレ率は上昇しています。次回も上がるようだと、少し心配です。

2020年末のトルコ政府インフレ率目標は、9.8%です。


トルコの経済成長率(GDP成長率)

トルコの経済成長率はリーマンショックの影響を受けた2009年以外は、年単位ではずっとプラスの成長率で推移しています。

2017年トルコの経済成長率は7.4%となりました。主な理由は減税措置で、GDPの6割を占める個人消費が6.1%増えたことによります。

トルコの経済成長率推移
2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
0.9% -4.7% 8.5% 11.1% 4.8% 8.5% 5.2% 6.1% 3.2% 7.4%

一方、2018年トルコの経済成長率は、通年で2.6%と、2017年の7.4%から大きく落ち込んでいます。原因は通貨の下落による物価の高騰により、個人消費が冷え込んだためです。(トルコでは個人消費がGDPの6割を占めます)

2018年 トルコの経済成長率推移
1~3月 4~6月 7~9月 10~12月 通年
9.3% 5.2% 1.6% -3.0% 2.6%

2019年のトルコ経済成長率見通しは-1.9%と厳しい状況です。(出典:経済協力開発機構)

2019年 トルコの経済成長率推移
1~3月 4~6月 7~9月 10~12月 通年
-2.6% -1.5% +0.9% 2020年3月11日発表 -1.9%
予想

ただ、直近の7~9月はプラスに転じました。


2020年トルコリラ円の見通し 結論

トルコ経済は、インフラの整備などに不足する資金を、海外からの借り入れに依存しています。
そのため、

となります。2019年の米ドルは2.50%→1.75%まで政策金利が下がりました。
トルコ経済にはありがたいことです。

また、トルコリラの価値を下げるインフレ率の高さも気になるところです。
最近のインフレ率は20%を下回ってきましたが、他国と比べると異常に高いです。

●トルコリラ安の要因(影響が高い順)
1.インフレ率の高止まり
2.米中貿易摩擦の懸念
3.米ドルの利上げ
4.アメリカとの関係悪化
5.エルドアン大統領の動向
6.トルコ経済成長率の落ち込み

インフレ率 米中貿易摩擦 米ドル利上げ 対米関係 エルドアン
大統領
経済成長率

若干上昇

良くない

利下げに転換

様子見

良くない

良くない

●トルコリラ高の要因(影響が高い順)
1.暴落(トルコリラショック)の反発
2.中国との経済協力

暴落の反発 中国との経済協力

ほぼ終了

様子見

これらから、今後6か月のトルコリラ円の予想レンジは、17.5円~18.8円です。

トルコリラ円を保有したい場合、1年以上の長期保有は避け、1か月で10%以上下落した際に、暴落の反発を狙って短期保有するなど、為替相場を見ながら計画的に投資するのがおすすめです。


6.トルコリラの見通しに関係なく、高いスワップ益を受け取るには?

トルコリラを保有する場合、高い金利は魅力なのですが、突然暴落するのが一番のリスクです。

そこで、為替レートに左右されることなく、トルコリラの高いスワップポイントのみを受け取る方法を検証しました。
トルコリラ円でスワップ金利のサヤ取り



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