トルコリラ円の見通し(今後)を過去10年チャートから予想

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トルコリラ円の見通し(今後)を過去10年チャートから予想

トルコリラは南アフリカランドと並んで、高い金利が魅力の通貨ですが、買ったとたんに暴落するのは避けたいところです。

そこで、トルコリラの今後の見通しを、以下の点から調べました。


トルコリラ円の過去10年のチャートで値動きを考察

トルコリラに投資する場合、まず知りたいのが過去の値動きです。過去10年間のトルコリラの為替チャートを確認することで、今後の見通しをある程度予測できます。

トルコリラ円の過去10年のチャート

上の図は、トルコリラ円の過去10年の為替チャートです。
特に大きな値動きが6回発生しています。

トルコリラ円の主な為替変動履歴
No. 主な要因 変動率 概要
世界金融危機 41%
下落
2008年10月以降、100年に1度と言われる世界金融危機の影響で
トルコリラを含む多くの通貨が暴落
アメリカ国債
格下げ
23%
下落
2011年8月、格付け会社のS&Pがアメリカ国債をAA+に格下げ
アメリカ国債は約70年間最上級の格付けを維持してきたため、
世界中に衝撃が走り、世界経済は一気に冷え込むことに。
2011年10月には、当時の最安値1トルコリラ=40.25円を記録。
先進国の
金融緩和
24%
上昇
2013年前後、日本や欧米による金融緩和の実施の影響で、
リスクの高い資産に積極的に資金を振り分けるリスクオン
の状態になり、資金が新興国通貨のトルコリラにも流入。
中国経済の
景気減速
15%
下落
2015年8月、中国経済の景気減速の影響で、新興国通貨が暴落。
2015年9月には、当時の最安値1トルコリラ=38.99円を記録。
トルコ国内の
テロ頻発
25%
下落
2015年10月、アンカラで死者100名以上のテロが発生。
それ以降、断続的にトルコ国内でテロが発生。
2017年4月には、最安値1トルコリラ=29.08円を記録
アメリカとの
関係悪化
14%
下落
アメリカがトルコと敵対するクルド人武装勢力を支援したことで、
「トルコとアメリカが相互にビザ(査証)発給業務を停止」
という事態に陥り、トルコとアメリカの関係が悪化。
2017年11月には、最安値1トルコリラ=27.93円を記録

これら、過去10年にトルコリラの為替相場が大きく動いた原因を見ていくと、トルコ国内の経済やカントリーリスクだけでなく、世界経済も大きく影響していることが分かります。

2017年以降で、世界経済が悪化する原因は下の2つです。

原油安
原油安は、原油を輸入に頼っているトルコ経済にとってプラスです。
一方、中東産油国など資源輸出に頼る国にはマイナスです。
さらに石油開発への投資が滞り、原油の供給が将来的に不安定になる恐れがあります。
そのため、世界経済にもマイナスです。

2018年9月24日の時点では、1バレル=71.5ドルで、1バレル=30ドル(2016年2月)の最安値圏は脱出しています。

GDP上位国の経済悪化
2015年8月に判明したGDP第2位の中国経済の景気減速は、トルコリラやランド円など、多くの高金利通貨の下落を引き起こしました。

中国経済の景気は、指標となる製造業購買担当者景況感が2016年8月~2018年5月の22か月連続で50を上回っており、多少の安心感が出てきていますが、アメリカや中国などのGDP上位国の経済悪化は、世界経済の悪化を招きます。


トルコリラ円の史上最安値の推移と、その理由

2018年9月24日時点のトルコリラ円史上最安値は、2018年8月13日の15.34円です。
トルコリラの最安値は、時期により下落理由が違いますので、時期別に紹介いたします。

2015年末までの最安値更新は世界経済の悪化が原因
2015年末までは、トルコリラが最安値を更新する原因は、世界金融危機やアメリカ国債の格下げ、中国経済の景気減速など世界経済の悪化によるものが主でした。

2016年~2017年4月までの最安値更新はトルコ国内のテロが主な原因
2016年以降の最安値の更新には、テロやトルコ政治の悪化が反映され始めました。
そして2017年4月14日、1トルコリラ=29.08円を記録し、最安値を更新しました。

一方で、トルコ政府がテロ対策を強化し、2017年5月以降は、死者が発生するようなテロはトルコ国内でほとんど発生していません。
さらに2017年7月、ISのイラク最後の主要拠点モスルが奪還され、ISが弱体化しました。

2017年11月の最安値更新はアメリカとの関係悪化が原因
トルコとアメリカは、第2次世界大戦以降から長く同盟関係にあり、ISに対する軍事作戦でも、両国は協力関係にありました。

ところがアメリカは、ISへの軍事作戦でISに敵対するクルド人武装勢力を支援します。
一方トルコは、トルコからの分離独立を目指すクルド人武装勢力とは対立しています。
そのため、トルコとアメリカの関係は悪化していきます。

そして2017年11月22日、トルコとアメリカの関係が悪化する懸念が高まり、1トルコリラ=27.93円の最安値を記録しました。

2018年3月以降の最安値更新は複数の要因
2018年3月23日、1トルコリラ=25.96円を記録し、約3か月ぶりに最安値を更新ました。
さらに5月23日、1トルコリラ=22.36円を記録しました。
その後8月13日、1トルコリラ=15.34円を記録しました。
主な原因は、下の5点です。

  1. アメリカ金利上昇懸念
  2. トルコリラ格下げ
  3. トランプリスク(アメリカとの関係悪化)
  4. インフレ率の高止まり
  5. トルコの政治リスク

この5つが同時期に起こったため、トルコリラの最安値が3月以降更新され続けました。
2018年9月24日時点で5つのリスクはいずれも収束しておらず、現在進行形で続いています。

詳しくはこちらです
トルコリラ円の史上最安値とその原因 対策法は?


トルコの政策金利は為替に影響する?

トルコリラは高金利通貨で有名です。
そのため、私たち個人投資家からすると、政策金利が低くなれば魅力が薄れトルコリラが安くなり、政策金利が高くなれば逆にトルコリラが高くなるイメージがあります。

トルコの政策金利が上がった場合と下がった場合、為替レートはどのように変動するのか調べてみました。これについては、別記事で詳しく検証しています。

トルコの政策金利の推移と為替レートへの影響


トルコリラの今後の見通しは?

下の図は直近3か月のトルコリラ円の為替チャートです。
絵に描いたような下落相場で、5月以降、下落が加速しています。


では最近起こった、トルコリラの為替相場に関連する主なニュースを紹介します。

2018年2月2~5日 米国のNYダウ平均が暴落し、各国の株に連鎖する世界同時株安が発生
高金利のトルコリラを売って、信頼性の高い円を買う動きになりました。

2018年3月1日 トランプ大統領の発言で世界同時株安が発生
トランプ大統領が「鉄鋼に25%・アルミニウムに10%の関税をかける」と発表したことで、高金利のトルコリラを売って、信頼性の高い円を買う動きになりました。

2018年3月8日 格付け会社ムーディーズ トルコリラの格付けをBa1→Ba2に格下げ
これにより、トルコリラの円高が進みました。

2018年3月15日 アメリカ・トルコ会談が延期
アメリカのティラーソン国務長官の解任により、3月19日に予定されていたアメリカ・トルコ会談が延期になりました。アメリカとトルコの関係も悪化するのではとの見通しで、トルコリラ円の円高が進みました。

2018年5月2日 格付け会社S&P トルコリラの格付けをBB→BB-に格下げ
これにより、トルコリラの円高が進みました。

2018年5月3日 トルコ4月の消費者物価指数(インフレ率)が10.85%
高インフレの状態が続き、トルコリラの円高が進みました。

2018年5月22日 格付け会社がトルコ政治に懸念
トルコのエルドアン大統領に対して、格付け会社のフィッチ・レーティングスは、
「トルコ中央銀行の独立性が損なわれ、トルコ国債の信用低下につながる可能性がある」
と懸念を表明し、その後トルコリラ円は最安値を更新しました。

2018年5月25日 トルコリラの複数ある政策金利の1つを利上げ
後期流動性貸出金利を13.5%から16.5%に利上げし、若干円安に戻りました。
※後期流動性貸出金利:金融機関への緊急時の貸し出し金利

2018年8月10日 トルコショック
トルコ政府が米国人牧師を拘束した問題で、アメリカとの関係が悪化し、トルコリラ円の下落率は20%近くになりました。

2018年9月3日 トルコリラのインフレ率上昇
トルコリラの8月インフレ率は17.90%と、高い数値が発表されました。
当面高止まりする見通しです。
上述したトルコリラ関連ニュースの他、トルコの主な経済指標の推移も確認しました。
確認した経済指標

トルコのインフレ率(消費者物価指数) 
過去のインフレ率と比較しても、2018年8月の17.90%は高い数値です。
(2012年1月~2018年4月の平均インフレ率は8.70%)
最近の原油高もトルコの高インフレの原因です。

市場では、インフレ率はしばらく高止まりし、下降に向かうのは2019年の後半とみています。

トルコ インフレ率の推移

2018年 トルコのインフレ率推移(前年比)
1月 2月 3月 4月 5月 6月
10.35% 10.26% 10.23% 10.85% 12.15% 15.39%
7月 8月 9月 10月 11月 12月
15.85% 17.90%

トルコの経済成長率(GDP成長率)
トルコの経済成長率は決して悪くはありません。リーマンショックの影響を受けた2009年以外は、ずっとプラスの成長率で推移しています。

トルコの経済成長率推移(過去10年)
2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
0.9% -4.7% 8.5% 11.1% 4.8% 8.5% 5.2% 6.1% 3.2% 7.4%

2017年トルコの経済成長率は7.4%となりました。
主な理由は減税措置で、GDPの6割を占める個人消費が6.1%増えたことによります。

2017年 トルコの経済成長率推移
1~3月 4~6月 7~9月 10~12月
5.0% 5.1% 11.1% 7.3%

一方、2018年トルコの経済成長率は、4~6月が5.2%と今までの高成長率から若干落ち込んでいます。

2017年 トルコの経済成長率推移
1~3月 4~6月 7~9月 10~12月
9.3% 5.2%

トルコリラ円の見通し 結論
トルコ経済は、インフラの整備などに不足する資金を、海外からの借り入れに依存しています。
そのため、米ドルの利上げはトルコにとって痛手です。
また、トルコリラの価値を下げるインフレ率の高さも気になるところです。

●トルコリラ安の要因:
・エルドアン大統領の中央銀行への関与
・米ドルの利上げ
・インフレ率の高止まり
・トランプ政策リスク(アメリカとの関係悪化)

●トルコリラ高の要因:
・トルコの経済成長率
・中国との経済協力

現時点では、インフレ率が高止まりしていて、トルコリラが円高に傾きやすい傾向です。
よって、今後3か月のトルコリラ円の予想レンジは、15円~19円とします。
(2018年9月24日)


トルコリラの見通しに関係なく、高いスワップ益を受け取るには?

トルコリラを保有する場合、高い金利は魅力なのですが、突然暴落するのが一番のリスクです。

そこで、トルコリラの暴落など、為替レートに左右されることなく、トルコリラの高いスワップポイントのみを受け取る方法を検証しました。
トルコリラ円でスワップ金利のサヤ取り



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