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著者:為替カバ 更新日:2024年9月2日
トルコリラの政策金利の推移と見通し 為替レートへの影響
現在のトルコリラ政策金利は50.00%
トルコリラの政策金利は複数あります。
現在FX会社がスワップポイントの参考にするのは、「1週間物レポ金利」と呼ばれる金利です。
現在のトルコリラ1週間物レポ金利は50.00%です。
政策金利 | |
1月25日 | 42.50%→45.00%(利上げ) |
2月22日 | 45.00%→45.00%(据え置き) |
3月21日 | 45.00%→50.00%(利上げ) |
4月 | 50.00%→50.00%(据え置き) |
5月 | 50.00%→50.00%(据え置き) |
6月 | 50.00%→50.00%(据え置き) |
7月 | 50.00%→50.00%(据え置き) |
8月 | 50.00%→50.00%(据え置き) |
9月 | 50.00%→50.00%(据え置き) |
10月 | |
11月 | |
12月 |
政策金利 | |
1月19日 | 9.00%→9.00%(据え置き) |
2月23日 | 9.00%→9.00%(据え置き) |
3月23日 | 9.00%→8.50%(利下げ) |
4月27日 | 8.50%→8.50%(据え置き) |
5月25日 | 8.50%→8.50%(据え置き) |
6月22日 | 8.50%→15.00%(利上げ) |
7月20日 | 15.00%→17.50%(利上げ) |
8月24日 | 17.50%→25.00%(利上げ) |
9月21日 | 25.00%→30.00%(利上げ) |
10月26日 | 30.00%→35.00%(利上げ) |
11月23日 | 35.00%→40.00%(利上げ) |
12月21日 | 40.00%→42.50%(利上げ) |
政策金利 | |
1月20日 | 14.00%→14.00%(据え置き) |
2月17日 | 14.00%→14.00%(据え置き) |
3月17日 | 14.00%→14.00%(据え置き) |
4月14日 | 14.00%→14.00%(据え置き) |
5月26日 | 14.00%→14.00%(据え置き) |
6月23日 | 14.00%→14.00%(据え置き) |
7月21日 | 14.00%→14.00%(据え置き) |
8月18日 | 14.00%→13.00%(利下げ) |
9月22日 | 13.00%→12.00%(利下げ) |
10月20日 | 12.00%→10.50%(利下げ) |
11月24日 | 10.50%→9.00%(利下げ) |
12月22日 | 9.00%→9.00%(据え置き) |
政策金利 | |
1月21日 | 17.00%→17.00%(据え置き) |
2月18日 | 17.00%→17.00%(据え置き) |
3月18日 | 17.00%→19.00%に利上げ |
4月15日 | 19.00%→19.00%(据え置き) |
5月6日 | 19.00%→19.00%(据え置き) |
6月17日 | 19.00%→19.00%(据え置き) |
7月14日 | 19.00%→19.00%(据え置き) |
8月12日 | 19.00%→19.00%(据え置き) |
9月23日 | 19.00%→18.00%に利下げ |
10月21日 | 18.00%→16.00%に利下げ |
11月18日 | 16.00%→15.00%に利下げ |
12月16日 | 15.00%→14.00%に利下げ |
政策金利 | |
1月16日 | 12.00%→11.25%に利下げ |
2月19日 | 11.25%→10.75%に利下げ 物価上昇の鈍化を理由に利下げ。利下げはこれで6会合連続。 |
3月19日 | 10.75%→9.75%に利下げ |
4月22日 | 9.75%→8.75%に利下げ |
5月21日 | 8.75%→8.25%に利下げ |
6月25日 | 8.25%→8.25%(据え置き) |
7月23日 | 8.25%→8.25%(据え置き) |
8月20日 | 8.25%→8.25%(据え置き) |
9月24日 | 8.25%→10.25%に利上げ |
10月22日 | 10.25%→10.25%(据え置き) |
11月19日 | 10.25%→15.00%に利上げ 7日に主任したアーバル新総裁の下で、大幅な利上げに踏み切った |
12月24日 | 15.00%→17.00%に利上げ 直近のインフレ率が14%を上回ったことを受けて、利上げ |
政策金利 | |
1月16日 | 24.00%→24.00%(据え置き) |
3月6日 | 24.00%→24.00%(据え置き) 直近のインフレ率は19.67%と高く、利下げは時期尚早と判断 |
4月25日 | 24.00%→24.00%(据え置き) 今回の声明文では「必要があれば金利を上げる」という旨の文言が消えた そのため、25日は1トルコリラ=19.10円→18.72円まで下落 |
6月12日 | 24.00%→24.00%(据え置き) |
7月25日 | 24.00%→19.75%に利下げ 市場予想を超える利下げ幅で、背景に金利を悪と断じるエルドアン大統領の利下げ圧力があった模様 25日は1トルコリラ=19.03円→19.05円とほぼ変わらず |
9月12日 | 19.75%→16.50%に利下げ 直近のインフレ率が15%付近まで下がったため、 金融緩和(利下げ)を継続する方針 12日は1トルコリラ=18.80円→19.13円 |
10月24日 | 16.50%→14.00%に利下げ インフレ見通しが改善したほか、アメリカからの経済制裁が解除され、外交的なリスクが遠のいたことも利下げ要因 |
12月12日 | 14.00%→12.00%に利下げ エルドアン大統領は、景気を上げるため、金利を一桁台に引き下げることを要求 ただし、これ以上の利下げはリラ売りにつながる恐れあり |
トルコリラの政策金利は4種類→3種類→一本化へ
トルコ中央銀行は、政策金利を下の4種類設定していました。
- 1週間物レポ金利:1週間後に決済する条件で金融機関が中央銀行から融資を受ける際の金利
- 翌日物借入金利:翌日に決済する条件で金融機関が中央銀行に資金を預入れする際の金利
- 翌日物貸出金利:翌日に決済する条件で金融機関が中央銀行から資金調達する際の金利
- 後期流動性貸出金利:金融機関に対する緊急的な貸出に適用する金利。
一番重要な金利は?
トルコリラの実質的な政策金利とみなされるものは、時期により違います。
- 2016年12月まで:1週間物レポ金利
- 2017年1月以降:後期流動性貸出金利
- 2018年6月1日以降:1週間物レポ金利
実質的な政策金利が変わるなどの複雑な金融政策は、トルコのエルドアン大統領が政策金利の引き上げに反対しているためでした。
しかし、政策の複雑化を解消するため、2018年6月以降は以下のように変わりました。
2018年6月1日のトルコ政策金利 変更点
- メインの政策金利は1週間物レポ金利
- 1週間物レポ金利を後期流動性貸出金利と同等の16.50%に引き上げ
- 翌日物借入金利を1週間物レポ金利の-1.50%に固定(15.00%)
- 翌日物貸出金利を1週間物レポ金利の+1.50%に固定(18.00%)
つまり、現在トルコの実質的な政策金利は1週間物レポ金利です。
トルコリラをFXで運用される方は、1週間物レポ金利だけを気にしておいて間違いありません。(FX会社は、1週間物レポ金利を参考にトルコリラのスワップポイントを決定)
2020年11月19日のトルコ政策金利 変更点
- アーバル新総裁の下で、分かりにくかった政策金利を主要政策金利に一本化
トルコリラの政策金利の推移
トルコリラの過去の主要政策金利は下のように移り変わっています。
トルコリラの主要政策金利の移り変わり
2016年12月まで:1週間物レポ金利
2017年1月~2018年5月まで:後期流動性貸出金利
2018年6月~:1週間物レポ金利
そこで、主要政策金利の推移を調べました。
年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2020年 | 11.25 | 10.75 | 9.75 | 8.75 | 8.25 | 8.25 | 8.25 | 8.25 | 10.25 | 10.25 | 15.00 | 17.00 |
2019年 | 24.00 | 24.00 | 24.00 | 24.00 | 24.00 | 24.00 | 19.75 | 19.75 | 16.50 | 14.00 | 14.00 | 12.00 |
2018年 | 12.75 | 12.75 | 12.75 | 13.50 | 16.50 | 17.75 | 17.75 | 17.75 | 24.00 | 24.00 | 24.00 | 24.00 |
2017年 | 11.00 | 11.00 | 11.75 | 11.75 | 12.25 | 12.25 | 12.25 | 12.25 | 12.25 | 12.25 | 12.25 | 12.75 |
2016年 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 8.00 | 8.00 |
2015年 | 7.75 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 |
2014年 | 10.00 | 10.00 | 10.00 | 10.00 | 9.50 | 8.75 | 8.25 | 8.25 | 8.25 | 8.25 | 8.25 | 8.25 |
2013年 | 5.50 | 5.50 | 5.50 | 5.00 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 |
2012年 | 5.75 | 5.75 | 5.75 | 5.75 | 5.75 | 5.75 | 5.75 | 5.75 | 5.75 | 5.75 | 5.75 | 5.50 |
2011年 | 6.25 | 6.25 | 6.25 | 6.25 | 6.25 | 6.25 | 6.25 | 5.75 | 5.75 | 5.75 | 5.75 | 5.75 |
2010年 | 6.50 | 6.50 | 6.50 | 6.50 | 7.00 | 7.00 | 7.00 | 7.00 | 7.00 | 7.00 | 7.00 | 6.50 |
2009年 | 13.00 | 11.50 | 10.50 | 9.75 | 9.25 | 8.75 | 8.25 | 7.75 | 7.25 | 6.75 | 6.50 | 6.50 |
2008年 | 15.50 | 15.25 | 15.25 | 15.75 | 15.75 | 16.25 | 16.75 | 16.75 | 16.75 | 16.75 | 16.25 | 15.00 |
2008年以降におけるトルコの政策金利は、4.50%~24.00%の間で推移しています。
(赤字:最高金利 青字:最低金利)
日本の政策金利と比較して、非常に高金利であることが分かります。
ちなみに、FX会社も上の政策金利を参考にして、トルコリラ円のスワップポイントを決めます。
ただし、あくまで「参考」で、FX会社によりスワップポイントの設定金額が違いますので、1番高いスワップポイントを提供するFX会社で取引することをおすすめします。
→トルコリラ円のスワップポイントを比較
トルコリラの政策金利見通し
トルコリラの政策金利は現在15.00%です。
2020年11月 トルコ中央銀行新総裁がアーバル氏に
トルコ中央銀行総裁がアーバル新総裁に代わりました。
アーバル新総裁は、市場の信頼や外貨準備を回復させる考えを強調している方です。
2121年3月 トルコ中央銀行新総裁が解任
3月20日、ナージ・アーバル中央銀行総裁が在任期間約5カ月で解任されました。
この措置を受けて、エルドアン政権の経済運営に対する不透明感が高まり、通貨リラ売りが加速し、対ドルで一時15%の下落を見せた。
2020年11月に就任したアーバル前総裁は18日に政策金利を17%から19%に引き上げたばかりで、金融引き締めに対する積極的な姿勢が市場の好感を得ていました。
代わりにカブジュオール氏が新総裁となりました。
カブジュオール氏はこれまで高金利を批判してきたため、今後は利下げの可能性が出てきました。
トルコリラの政策金利は、トルコリラ円の為替レートに影響を与える?
トルコリラは、高金利で魅力の通貨です。
そのため、政策金利が動くことで為替レートも変動するのか、相関関係を調べてみました。
上の図は、2008年1月~2018年6月における、トルコリラの政策金利と為替レートの相関図です。政策金利が上がった場合と下がった場合で、トルコリラ円の為替レートがどのように変動するのか調べました。
政策金利が上がった場合
2008年以降、トルコの政策金利が上がったのは、下の4回です。
①2008年3月→2008年7月
トルコリラの政策金利は、15.25%→16.75%まで、1.50%上がりました。
その間、トルコリラ円の為替レートは、85.01円→86.80円に上昇しました。
②2010年4月→2010年5月
トルコリラの政策金利は、15.25%→16.75%まで、1.50%上がりました。
その間、トルコリラ円の為替レートは、61.50円→63.12円に上昇しました。
③2013年12月→2014年1月
トルコリラの政策金利は、4.50%→10.00%まで、倍以上の5.50%上がりました。
政策金利が倍以上になりましたが、トルコリラ円の為替レートは、50.07円→48.95円に下落しました。
④2016年10月→2018年9月
トルコリラの政策金利は、7.50%→24.00%まで3倍以上に上がりました。
トルコリラ円の為替レートは、33.17円→17.65円に下落しました。
トルコリラの政策金利が上がった場合、トルコリラ円は上昇(円安)2回、下落(円高)2回です。
政策金利が下がった場合
2008年以降、トルコの政策金利が下がったのは、下の3回です。
①2008年10月→2009年11月
トルコリラの政策金利は、16.75%→6.50%まで、一気に10.25%下がりました。
その間、トルコリラ円の為替レートは、83.55円→59.55円に下落しました。
②2010年11月→2013年5月
トルコリラの政策金利は、7.00%→4.50%まで、2.50%下がりました。
その間、トルコリラ円の為替レートは、56.04円→54.34円に下落しました。
③2014年4月→2015年1月
トルコリラの政策金利は、10.00%→7.50%まで、2.50%下がりました。
その間、トルコリラ円の為替レートは、48.21円→51.33円に上昇しました。
トルコリラの政策金利が下がった場合、トルコリラ円は下落(円高)2回、上昇(円安)1回です。
トルコリラの政策金利と為替レートの相関 結論
事例が少なく、はっきりと断言できませんが、2013年12月から2014年1月にかけて、政策金利が4.50%→10.00%まで、2倍以上の5.50%上がったにもかかわらず、トルコリラ円が下落したことなどを考慮すると、政策金利とトルコリラ円の為替レートは、長期で見ると
「政策金利の利上げ=為替レートの上昇(円安)」
といった相関は見られないと言えます。
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