トルコリラ円の史上最安値 更新中(2018年)原因と対処法は?

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トルコリラ円の史上最安値 更新中(2018年)原因と対処法は?

下の図はトルコリラ円の過去10年の為替チャートです。

トルコリラ円 過去10年の為替チャート

上のチャートから、トルコリラ円の最安値は過去10年で6回更新されました。

  1. 2009年1月 当時の最安値1トルコリラ=52.30円を記録
  2. 2011年10月 当時の最安値1トルコリラ=40.25円を記録
  3. 2015年9月 当時の最安値1トルコリラ=38.99円を記録
  4. 2016年2月~2017年4月 最安値を更新し続ける
  5. 2017年11月 当時の最安値1トルコリラ=27.93円を記録
  6. 2018年5月 現在の最安値1トルコリラ=22.36円を記録

トルコリラ円が最安値を更新したとき何が起こったのか、その原因(理由)を調べました。


1.2009年1月のトルコリラ円最安値と原因

2008年9月15日に、アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが経営破綻したことを皮切りに、100年に1度と言われる世界的金融危機が発生しました。

その影響を受けて、トルコリラ円は当時の最安値を更新しました。
つまり、2009年の最安値は世界経済の悪化が原因です。


2.2011年10月のトルコリラ円最安値と原因

2011年8月、格付け会社のS&Pがアメリカ国債をAA+に格下げしました。
理由は、財政赤字削減計画が米国の債務の安定化には不十分との見方を反映したものとされています。

アメリカ国債はこれまで、約70年間最上級の格付けを維持してきたことから、世界中に衝撃が走り、世界経済は一気に冷え込むことになりました。

その影響を受けて、トルコリラ円は当時の最安値を更新しました。
2011年の最安値も世界経済の悪化が原因です。


3.2015年9月のトルコリラ円最安値と原因

2015年8月、中国経済の景気底割れが懸念され、中国発の世界同時株安が起こりました。

その影響を受けて、トルコリラ円は当時の最安値を更新しました。
2015年の最安値も世界経済の悪化が原因です。

このように、2015年末まではトルコリラが最安値を更新する原因は、世界金融危機やアメリカ国債の格下げ、中国経済の景気減速など世界経済の悪化によるものが主でした。


4.2016年2月~2017年4月のトルコリラ円最安値と原因

しかし、2016年以降の最安値の更新は、テロやトルコ政治の悪化が反映され始めました。

2016年2月17日のアンカラでのテロ以降、トルコリラ円の為替レートは、テロが起こるたびに最安値を更新し続けます。
※トルコのアンカラは日本での霞ヶ関に相当する地域で、国会議事堂や官庁のビルが集中する政治の中心部です。

つまり、2016年2月~2017年4月の最安値はトルコ国内のテロが原因です。

下の表は過去にトルコで発生したテロです。

2015年以降トルコで発生したテロ(死亡者が発生したもの)
 日付  首謀者  内容  死者数
 2015年7月20日  IS  トルコ南東部スルチで自爆テロ  32人
 2015年11月6日  IS  トルコ アンカラで自爆テロ  103人
 2016年1月12日  IS  トルコ イスタンブールで爆弾テロ  外国人11人
 2016年2月17日  シリア国籍の
 クルド人
 トルコ アンカラで爆弾テロ  29人
 2016年3月13日  クルド人武装勢力  トルコ アンカラのバス停留所で爆弾テロ  34人
 2016年3月19日  ISまたは
 クルド人武装勢力
 トルコ イスタンブールで自爆テロ  4人
 2016年4月27日  不明  観光地ブルサで自爆テロ  1人
 2016年5月1日  IS  トルコ南部ガジアンテブで自爆テロ  2人
 2016年5月4日  クルド人武装勢力  トルコ南東部マルディンで自動車爆弾テロ  1人
 2016年6月7日  不明  トルコ イスタンブールで警察車両を狙った
 爆弾テロ
 11人(うち
 警官7人)
 2016年6月8日  クルド人武装勢力  トルコ南東部マルディン県で車爆弾テロ  4人(うち
 警官1人)
 2016年6月29日  IS  トルコ イスタンブールの空港で銃の乱射と
 自爆テロ
 42人
 2016年8月20日  IS  トルコ ガジアンテップ(シリア国境付近)で
 結婚式を狙った爆弾テロ
 51人
 2016年10月9日  クルド人武装勢力  トルコ ハッカリ県(イラク国境付近)で
 自爆テロ
 18人
 2016年11月4日  IS  トルコ南東部ディヤルバクルの
 警察署近くで爆弾テロ
 8人
 2016年11月24日  クルド人武装勢力  トルコ南部アダナで車爆弾テロ  2人
 2016年12月10日  クルド人武装勢力  トルコ イスタンブールの
 サッカースタジアム近くで車爆弾テロ
 44人
 2016年12月17日  クルド人武装勢力  トルコ中部カイセリで車爆弾テロ  14人
 2017年1月1日  IS  トルコ イスタンブールのナイトクラブで
 男が銃を乱射し、犯人は逃走
 39人
 2017年1月5日  クルド人武装勢力  トルコ 西部イズミルの裁判所付近で
 車爆弾テロ 犯人は2人射殺され、1人逃走
 2人(うち
 警官1人)
 2017年2月17日  不明  トルコ南部シャンルウルファの検察官
 宿舎前で車爆弾テロ
 1人
 2017年4月11日  クルド人武装勢力  トルコ南東部ディヤルバクルの警察施設で
 爆弾テロ
 3人
 日付  首謀者  内容  死者数

※2016年4月27日、6月7日、2017年2月17日のテロは、犯行声明が出ていません

上の表からもわかるように、2016年に入ってからは、毎月のようにトルコ国内でテロが発生しています。
ただし、2017年5月以降は、死者が発生するようなテロ情報は入っていません。

トルコでテロを引き起こしている組織はISとクルド人武装勢力(PKK)
トルコ国内では、シリアに拠点を持つISと、トルコからの分離独立を目指すクルド人武装勢力(PKK)によるテロが発生しています。

クルド人
トルコ、イラク、シリアなどに暮らす、3000万人ほどの民族集団です。
国家を持たないクルド人の中でも、特にクルド人武装勢力は統一国家の樹立への思い入れが強いのですが、統一国家の樹立を認めないトルコと対立が続いています。

IS(イスラム国)
シリアを中心にイスラム国家の樹立を目的として活動する武装勢力です。

2016年7月にはトルコでクーデターが発生
2016年7月15日にトルコ軍の一部がクーデターを起こしました。

エルドアン大統領は独裁的な傾向を強め、トルコのイスラム化政策を推し進める一方、トルコ軍は政教分離を重視していたため、今回のクーデターが発生したと考えられています。

このクーデターは失敗に終わったものの、市民と反乱勢力合わせて290人もの死者が出ました。

モスル奪還作戦
2016年11月から、ISのイラク最後の主要拠点モスルを奪還するため、イラク軍とクルド人部隊による軍事作戦が実行されています。

2017年1月24日、モスルの東半分がISから解放されたと発表されました。

そして、2017年7月9日、イラクのアバディ首相がモスルを訪れ、3年にわたってISが支配してきたモスルの完全な制圧を宣言しました。

モスルはイラク第2の都市で人口が多く、長くISの資金源とされてきましたが、モスルがISから奪還されたことで、トルコ国内でもテロがなくなりつつあります。


5.2017年11月のトルコリラ円最安値と理由

2017年10月、トルコにある米大使館がトルコでの難民関連を除く全てのビザ発給業務の停止を発表し、トルコ側も同様の対抗措置を講じたため、
「トルコとアメリカが相互にビザ(査証)発給業務を停止する」
という事態に陥りました。

さらに2017年11月22日、トルコとアメリカとの関係がさらに悪化する懸念が高まり、1トルコリラ=27.93円の最安値を記録しました。

2017年11月の最安値はトルコとアメリカの関係悪化が原因です。


6.2018年5月のトルコリラ円最安値と理由

2018年3月以降、断続的に最安値を更新し、5月23日、1トルコリラ=22.36円の最安値を記録しました。主な原因は、下の5点です。

  1. アメリカ金利上昇懸念
  2. トルコリラ格下げ
  3. トランプリスク
  4. インフレ率の高止まり
  5. トルコの政治リスク

1.アメリカ金利上昇懸念
始まりは2018年2月2日に発表された米雇用統計で、賃金上昇率が前年同月比2.9%と市場予想を上回ったことです。

そこで、アメリカの利上げペースが加速すると市場で予想され、高金利通貨のトルコリラは売られました。

さらに、2月27日、米パウエル議長の「景気見通しは強まっている」との発言で、
「2018年アメリカ利上げが年4回行われるのでは」との市場予想が出回り、トルコリラはさらに売られました。

2.トルコリラ格下げ
2018年3月8日、格付け会社ムーディーズはトルコリラの格付けをBa1→Ba2に格下げしました。
理由は経常赤字拡大・対外債務増加・政治的リスク増大により、政治・経済の両方で先行きが不安定になったためです。
また5月2日、格付け会社S&Pもトルコリラの格付けをBB→BB-に格下げしました。

3.トランプリスク
2017年に世界景気が拡大した主な原因は「世界貿易の増加」でした。
実際に世界貿易量の伸び率は、2017年は+4.5%と、2016年の+3.0%からさらに上昇しました。
ところが2018年3月1日、トランプ大統領は「鉄鋼に25%・アルミニウムに10%の関税をかける」と発表しました。

そのため、「今後は世界の貿易量が縮小し、景気も停滞するのでは」との懸念から市場はリスクオフとなり、安全な資産である「円」を買う、円高に動きました。

※関税:輸入品に課せられる税金
※リスクオフ:安全な(リスクの少ない)資産に資金が向かいやすい相場状況

4.インフレ率の高止まり
インフレ率が高い国の通貨は、価値が下がる(安くなる)傾向にあります。
トルコは2017年8月~2018年4月の9か月間、10%を超す高いインフレ率が続いています。

5.トルコの政治リスク
先進国の多くは、紙幣を印刷する機能を持つ中央銀行と政府は分離・独立しています。
現在のトルコも、トルコ中央銀行は、政府からの独立性を保っています。

しかし、トルコのエルドアン大統領は6月24日の大統領選挙で再選された場合
「トルコ中央銀行への統制を強める」
と発言しています。

5月22日、格付け会社のフィッチ・レーティングスはこの発言を受けて、
「トルコ中央銀行の独立性が損なわれ、トルコ国債の信用低下につながる可能性がある」
と懸念を表明しました。

その後、5月23日に現在の最安値1トルコリラ=22.36円を記録しました

この5つが同時期に起こったため、トルコリラの最安値が更新されました。


トルコリラ円は今後最安値を更新する?

トルコリラ円は、このように世界経済以外にもいくつかの理由で最安値を更新しています。

また、2018年6月4日の時点では、トルコリラ円は23円台で、まだ最安値圏から脱していない状態であり、最安値を更新する可能性はあります。


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