ニュージーランドドル・NZドル円の為替見通し(今後)を過去10年チャートで予想

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著者:為替カバ 更新日:2023年9月25日

ニュージーランドドル(NZドル)円の見通し

こんにちは、為替カバです。
先進国の中で高金利通貨であるNZドルは、スワップポイント狙いのFXトレーダーに人気です。

ただ、スワップポイント狙いで長期保有する場合、NZドル円の今後の見通しはどうなるのか知っておく必要があります。

そこで、NZドル円の見通しについて、以下の点を調べながら予想しました。

この記事のもくじ
  1. NZドル円過去10年チャートで為替レートの推移を検証
  2. NZドルと豪ドルの相関度を調査
  3. NZドル円急落相場と史上最安値、その原因
  4. ニュージーランド経済の見通し
  5. NZドル円の為替見通し
  6. ニュージーランド政策金利の見通し
  7. あわせて知りたい豪ドル円・米ドル円など他通貨ペアの見通し

1.NZドル円過去10年チャートで為替レートの推移を検証

NZドル円を長期間保有する場合、気になるのが過去の値動きです。
そこで、過去10年間NZドル円がどう推移してきたのか、為替チャートで確認しました。
特に、為替レートが大きく動いた時期について、その原因を調べることで、今後の見通しをある程度予測することができるかもしれません。

NZドル円過去10年のチャート

上の図は、NZドル円の過去10年の為替チャートです。
特に大きな値動きが7回発生しています。

①2008年8月~2009年3月のNZドル円暴落相場

100年に1度と言われる、世界金融危機の影響で、比較的安全とされる円が買われ、多くの高金利通貨が暴落しました。

この影響で、2008年8月1日に80.96円だったNZドル円の為替レートは、2009年3月1日には45.58円と、35円以上も下落しました。

②2009年3月~2010年6月のNZドル円上昇相場

2009年3月1日に45.58円だったNZドル円の為替レートは、2010年6月には68.48円と、約20円上昇しました。

この上昇相場は、アメリカの量的金融緩和政策 第1弾(QE1)によるものとされています。

③2010年10月~2011年7月のNZドル円上昇相場

2010年10月1日に58.83円だったNZドル円の為替レートは、2011年7月には67.13円と、10円近く上昇しました。

この上昇相場は、アメリカの量的金融緩和政策 第2弾(QE2)によるものとされています。

④2012年7月~2013年6月のNZドル円上昇相場

アメリカで2012年9月に再度導入された量的金融緩和 第3弾(QE3)の実施の影響で、NZドル円の為替レートは2012年7月~2013年6月にかけて、58.98円~83.41円まで約24円上昇しました。

⑤2015年1月~2016年6月のNZドル円下落相場

2014年12月、2012年9月に導入されたアメリカの量的金融緩和が終わったことから、市場にあふれ出たドルが買い戻される形になり、NZドルを含む他の高金利通貨が安くなりました。
さらに、中国経済の景気減速や、記録的な原油安での世界景気も重なり、安全資産とされる円が買い戻され、NZドルが安くなりました。
そのため、2015年1月~2016年6月にかけて、93.05円~73.62円まで約20円下落しました。

⑥2016年11月~2017年2月のNZドル円上昇相場

2016年11月、アメリカでトランプ氏が大統領に就任し、トランプ政策への期待感からアメリカ株高が進み、リスクオンの状態になり、NZドル高になりました。
そのため、2016年11月~2017年2月にかけて73.79円~82.43円まで10円近く上昇しました。
※リスクオン:リスクの高い投資で積極的にリターンを求めようとする動き

⑦2020年2月末~2020年4月のNZドル円下落相場

2020年2月末、新型コロナウィルスの感染拡大により、世界市場がリスクオフの状態になり、NZドル安になりました。
そのため、2020年3月~2020年4月にかけて71.12円~59.51円まで10円以上下落しました。
※リスクオフ:リスクの高い投資を控える動き

結論

過去10年間は、ニュージーランド国内ではなく、世界の経済状況によってNZドル円の為替相場が大きく動いていることがわかります。


2.NZドルと豪ドルの相関度を調査

ニュージーランドとオーストラリアは地理的に、隣に位置しています。
過去10年のNZドル円と豪ドル円の為替チャートを比較すると、同じような値動きをすることが分かりました。

NZドル円と豪ドル円 過去10年のチャート

そこで、過去10年チャートから、大きく動いた要因ごとに、NZドルと豪ドルの変動期間と変動率と比較することで、NZドルと豪ドルの相関度合を調べました。

 動いた要因  NZドルの変動期間と変動率  豪ドルの変動期間と変動率
 ①2008年の世界金融危機  2008年8月~2009年3月
 44%下落
 2008年8月~2009年2月
 44%下落
 ②量的金融緩和政策 第1弾  2009年3月~2010年6月
 50%上昇
 2009年2月~2010年5月
 52%上昇
 ③量的金融緩和政策 第2弾  2010年10月~2011年7月
 14%上昇
 2010年9月~2011年5月
 19%上昇
 ④量的金融緩和政策 第3弾  2012年7月~2013年6月
 41%上昇
 2012年6月~2013年5月
 32%上昇
 ⑤量的金融緩和の終了  2015年1月~2016年6月
 21%下落
 2014年12月~2016年6月
 24%下落
 ⑥トランプ相場  2016年11月~2017年2月
 10%上昇
 2016年11月~2017年3月
 8%上昇

上の比較表からもわかるように、為替レートが動く要因は同じでも、NZドルと豪ドルで変動率・変動期間が若干異なることが分かります。

変動率:下落率はほとんど同じなのですが、上昇率には違いがありました
変動期間:豪ドルのほうが、NZドルよりも動き始める時期が若干早くなっていました

結論

豪ドルが大きく動き出したら、次はNZドルが動くと思った方が良いでしょう。


3.NZドル円急落相場と史上最安値、その原因

2000年~2020年でNZドル円が急落したのは以下の3回です。

最近は、ニュージーランド国内よりも世界景気の衰退時や、アメリカの量的金融緩和の終了で米ドルが強くなった時にNZドル円の急落が見られます。

NZドル円の史上最安値は1NZドル=41.87円です。今から20年以上前、ニュージーランドが経済不況に陥っていた2000年10月に起こりました。


4.ニュージーランド経済の見通し

ニュージーランド経済が不況に陥っていたのはかなり昔のことですが、その時に最安値を記録しました。そこで、ニュージーランド国内の経済に問題がないか経済成長率を確認しました。

下表は、ニュージーランドの経済成長率の推移です。
リーマンショックのあった2008年はマイナス成長でした。
また、2020年は新型コロナの影響で、経済成長率は-2.05%でした。

ただし、2010年以降の平均経済成長率は2.3%で、先進国の中では高い数値です。

ニュージーランドの経済(GDP)成長率
2006年 2007年 2008年 2009年 2010年
+2.75% +3.96% -0.41% +0.32% +2.01%
2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
+1.87% +2.55% +2.19% +3.14% +4.00%
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
+4.18% +2.62% +2.81% +2.18% -1.48%
2021年 2022年 2023年 2024年 2025年
+6.09% +2.44% +1.07%

※2023年はIMFによる2023年4月時点の推計です。


2023年 ニュージーランド経済成長率の推移
1~3月期 4~6月期 7~9月期 10~12月期
+2.2% +1.8% 12月13日発表


5.NZドル円の為替見通し

直近1年のNZドル円為替相場を考察

NZドル円為替相場は、80円台前半から後半を行き来するレンジ相場でした。
2023年9月現在は88円台で推移しています。

NZドル円2022年9月~2023年9月の為替レート

NZドル関連ニュース
日付 ニュース NZドル円
為替相場
2017年
12月11日
NZ準備銀行の次期総裁にエイドリアン・オア氏が任命
(オア氏の就任は、2018年3月27日の予定)
NZドル高
(円安)
2018年
1月18日
中国GDPの結果が予想より好調
→中国との貿易が盛んなオーストラリアが豪ドル高(円安)
→NZドルもつられてNZドル高(円安)になりました
NZドル高
(円安)
2月5日 米国のNYダウ平均が暴落し、各国の株に連鎖する世界同時株安が発生
→高金利のNZドルを売って、信頼性の高い円を買う動きになりました
NZドル安
(円高)
2月7日 ニュージーランドでの2017年12月の失業率が4.5%
→市場予想の4.7%を下回りました
NZドル高
(円安)
2月8日 NZ準備銀行が政策金利の据え置き(1.75%)を決定
→市場では、政策金利はしばらく据え置きになると予想
NZドル安
(円高)
3月15日 ニュージーランド10-12月GDPが前年比+2.9%
→市場予想の+3.1%を下回りました
NZドル安
(円高)
4月10日 米中貿易戦争の警戒が和らぎました
→リスク選好の円売りが先行し、NZドル高(円安)になりました
NZドル高
(円安)
5月29日 イタリア政治の先行き不透明感でイタリア株が3%超の大暴落
→リスク回避でNZドルが売られました
NZドル安
(円高)
12月19日 米ドルの利上げ
→今後も利上げが続くとの見通しでNZドルが売られました
NZドル安
(円高)
12月21日 アメリカ政府機関の一部閉鎖
→リスク回避でNZドルが売られました
NZドル安
(円高)
2019年
5月8日
NZ準備銀行が政策金利の引下げ(1.50%)を決定
→市場では、政策金利はしばらく据え置きになると予想
反応なし
2020年
2月末
新型コロナウィルスの感染拡大で世界市場がリスクオフに
→リスク回避でNZドルが売られました
NZドル安
(円高)

NZドルの為替レートは、世界経済・アメリカ経済・隣国の豪ドルの影響を強く受けることから

についても調べました。

米ドルの政策金利

アメリカの政策金利は、現在5.50%まで上がっています。
一方、ニュージーランドの政策金利は現在5.50%のため、アメリカの政策金利より上がる可能性が高いと予測しています。

豪ドルの為替相場

NZドルは「豪ドルの後を若干遅れて為替が変動する」という傾向がありますが、直近1年では豪ドルのほうがNZドルよりも下落しています。

そのため、今後はNZドル円も下落する可能背があります。

豪ドル円2022年9月~2023年9月の為替レート

NZドル円の為替見通し 結論

ファンダメンタルズでは、ニュージーランドとアメリカの経済成長は堅実に推移しています。
そのため、円安に戻っていく可能性が高いです。

これらのことから、今後1年のNZドル円為替レートは、82円~93円と予想します。


6.ニュージーランド政策金利の見通し

NZドルの政策金利は、5.50%です。
NZドルの政策金利は、世界経済やアメリカの動向ほど為替相場に影響を与えません。
ただし、NZドルでスワップトレードする際は、今後の金利動向を知っておきたいところです。

ニュージーランド 政策金利の推移
3月 6月 9月 12月
2017年 1.75% 1.75% 1.75% 1.75%
2018年 1.75% 1.75% 1.75% 1.75%
2019年 1.75% 1.50% 1.00% 1.00%
2020年 0.25% 0.25% 0.25% 0.25%
2021年 0.25% 0.25% 0.25% 0.75%
2022年 1.00% 2.00% 3.00% 4.25%
2023年 4.75% 5.50% 5.50%

ニュージーランドの政策金利は、基本的に景気の動向や消費者物価指数(CPI)によって決められます。

ニュージーランドの消費者物価指数発表時期は、1月・4月・7月・10月の4回あり、
目標値の+1.0%~+3.0%に対して以下のように推移しています。

ニュージーランド消費者物価指数の推移
発表年 1月発表 4月発表 7月発表 10月発表
2017年 +1.3% +2.2% +1.7% +1.9%
2018年 +1.6% +1.1% +1.5% +1.9%
2019年 +1.9% +1.5% +1.7% +1.5%
2020年 +1.9% +2.5% +1.5% +1.4%
2021年 +1.4% +1.5% +3.3% +4.9%
2022年 +5.9% +6.9% +7.3% +7.2%
2023年 +7.2% +6.7% +6.0%

ニュージーランド準備銀行の発言

●2023年4月
「インフレ目標1-3%の達成には、大幅な利上げが必要」


ニュージーランド政策金利見通し 結論

消費者物価指数が目標値を上回っていて、ニュージーランド準備銀行の発言も利上げをほのめかしていることから、今後も政策金利を上げる可能性があります。

なお、NZドル円のスワップポイントは、ニュージーランド政策金利に左右されますが、FX会社によっても大きく違います。また、同じFX会社でも日によってもらえるスワップポイントが異なりますので、長期にわたって高いスワップポイントを維持しているFX会社を選ぶのが賢い選択です。
NZドルのスワップポイントを比較


7.あわせて知りたい豪ドル円・米ドル円など他通貨ペアの見通し

他の通貨ペアの値動きのくせや見通しを知っておくことで、あなたにあった通貨を選ぶことができます。


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